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生垣の種類

生垣 画像

 「生垣」の読み方は「いけがき」です。

 植木で作った垣根のことで、単に垣根と言う方も多いですが、竹でできた「竹垣」あるいは石やブロックなどでできた「死垣」と区別するために、「生垣」と呼びます。 

 

 生垣のメリットはいろいろとありますが、私が近年、実感しているのは地震に対する安心感です。絶対に安全とまでは言いませんが、十分に成長した生垣の根は、コンクリートブロックなどの人工物とは比べようもないほど強固で柔軟性もあります。そのため、自治体によっては生垣を作る場合、一定の条件の下、助成金を払っているところもあるほどです。

 文字どおり「生きている垣根」、あるいは「なまの垣根」ですから、当然、デメリットもあります。

それは手間がかかることです。このため、生垣を作る木の種類を選ぶ場合、のちのちの管理のためにも、それぞれの樹種の特性を知っておく必要があります。生垣に向いている木は数限りなくありますが、以下に代表的なものをセレクトしました。

アベリア

 スイカズラ科 常緑低木 

 1~2m程度の生垣向き

 どちらかと言えば 洋風

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★☆☆

 剪定のしやすさ ★★☆

 おすすめ度   ★☆☆


 アベリアは夏季に長い間、白あるいはピンクの小さな花をつけます。

 剪定バサミやバリカンで手入れできますが、枝葉が柔らかいため形をまとめにくく、しっかりとした四角い生垣を作るには不向きです。ふんわりとした自然な感じの生垣向きです。

 成長の遅い品種も出ていますが、元来は成長が早いため頻繁な刈り込みが必要です。手間はかかりますが、その分、剪定のミスもすぐにカバーできます。

イヌツゲ

 モチノキ科 常緑低木

 1~2m程度の生垣向き

 どちらかと言えば 和風

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★★★

 剪定のしやすさ ★☆☆

 おすすめ度   ★☆☆


 最も一般的な生垣用樹木といって差し支えないと思われるほど普及しています。メリットは枝葉の密度が濃く、目隠し機能?が高いこと、比較的、安価でどこでも入手しやすいこと、成長が比較的遅いことです。

 デメリットは毎年同じ高さで剪定していると枝が硬くなって剪定しにくくなることや、枝抜きをしないと、カイガラムシやすす病の被害に遭って、枝枯れを起こすことです。また、葉が小さい分、剪定できれいな直線、直角を出すには熟練が必要で、剪定後の掃除もやや面倒です。

 芽出しが黄色のキンメツゲ、葉が丸いマメツゲなどの品種もあり、最近ではキンメツゲの流通量が増えています。

 

イヌマキ

 マキ科 常緑高木

 1~10m程度の生垣向き

 どちらかと言えば 和風

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★★☆

 剪定のしやすさ ★☆☆

 おすすめ度   ★☆☆


 イヌツゲ同様に昔から広く生垣に用いられている樹種です。

 元々は20m以上になる木ですので、芯を止めて生垣に用います。生垣の場合、刈り込みバサミやヘッジトリマーで四角く剪定しますが、イヌマキは葉が大きくて細長いため、手入れの直後は切り口が汚らしくなったり、葉のない枝が枯れ込んだりと見苦しくなるのが難点です。どちらかと言えば和風住宅に似合う木です。

 

ウバメガシ

 ブナ科 常緑高木

 2~6m程度の生垣向き

 和風でも洋風でも

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★★★

 剪定のしやすさ ★☆☆

 おすすめ度   ★★☆


 ウバメガシは、東京都内の幹線道路で街路樹として使用されているほど、大気汚染や乾燥に強い木です。そうした環境の目隠し用生垣にはもってこいですが、一方、備長炭の材料として有名なように木材の質が緻密で、剪定しにく木でもあります。また、枝葉が内部にも密生しやすいため、放置しておくと鬱蒼とします。長年手入れされていないウバメガシでは、よく蜂の巣に遭遇します。

エメラルド

 ヒノキ科 常緑中高木

 1~2m程度の生垣向き

 洋風

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★★★

 剪定のしやすさ ★☆☆

 おすすめ度   ★★☆


 いわゆるコニファー類は、枝葉が密で台風の多い日本では倒れやすいこと、庭が狭い日本では大きくなり過ぎることなどから、あまりお勧めしていませんが、このエメラルドは丈夫で、日本の気象条件や住宅環境に適していることから、コニファーの中でも最も普及しているものの一つになっています。刈り込みバサミでザックリと剪定すると格好悪くなるため剪定には多少のセンスが必要です。

 

カイヅカイブキ

ヒノキ科 常緑高木

2~3m程度の生垣向き

どちらかと言えば 洋風

 

 価格      ★☆☆

 目隠し効果   ★★★

 剪定のしやすさ ★☆☆

 おすすめ度   ★☆☆


 コニファー類が今のように普及する前は、このカイヅカイブキが「洋風な感じ」を醸し出す庭木として優遇されていました。しかし、いかんせん大きくなり過ぎます。手入れに関しても、刈り込みバサミでザクザクと大胆に刈り込むと、見苦しくなったり、チクチクとした針のような枝が突如現れたりで、厄介な面があります。そのせいか、近年では新たに植えているお宅を見かけなくなりました。

 カイヅカイブキ自身に罪はありません。狭い庭には向いていないということです。色の鮮やかさや葉の密度などは、他のコニファー類に引けをとりません。今となっては古い住宅地に多い「ノスタルジックな木」という印象ですので、そうした昭和のレトロ感を追求したい方向きです。

 

キャラボク

 イチイ科 常緑低木

 1~3m程度の生垣向き

 どちらかと言えば 和風

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★★★

 剪定のしやすさ ★★☆

 おすすめ度   ★★★


 キャラボクは、縁起の良い表札の材料として使われるイチイ(一位)の変種です。毅然としたイチイが単木での観賞に耐えるのに対し、このキャラボクは立ち姿が「だらしない」ので、複数で植えてお茶を濁す、生垣向きです。

 比較的成長が遅いこと、虫がつきにくいこと、挿し木で増やせることなどから、私としてはお勧めの生垣用樹です。なお、写真のような赤い実は、メスの木にしかなりません。

キンモクセイ

 モクセイ科 常緑小高木

 1.5~4m程度の生垣向き

 和風でも洋風でも

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★★☆

 剪定のしやすさ ★★☆

 おすすめ度   ★★☆


 ちょっとありふれ過ぎて、個性がないかもしれませんが、キンモクセイの生垣というのは、まずまず無難です。ただし、基本的には大木になりますので最低でも年に一回は手入れをする必要があります。放っておくと下の方の枝がなくなって、貧弱な生垣になります。

 また、キンモクセイと言えば芳香の強い花のイメージがありますが、生垣のように形を優先して手入れをする場合、花は二の次にする必要があります。花を拝もうとすれば年々大きくなるばかりです。

サザンカ

 ツバキ科 常緑小高木

 1~2m程度の生垣向き

 どちらかと言えば和風

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★★★

 剪定のしやすさ ★★☆

 おすすめ度   ★☆☆

 


 まぁ昔からよく見かける生垣です。メリットは日陰に強い、冬に花が咲く、丈夫で刈り込みに強いことです。デメリットはチャドクガの被害に遭うこと(全身が痒くなります)、手入れをしないと濃緑の葉が生い茂って庭全体が陰鬱な雰囲気になることです。成長は遅めですが、デメリットを補うためマメに手入れする必要があります。

サンゴジュ(珊瑚樹)

 スイカズラ科 常緑小高木

 2~5m程度の生垣向き

 和風でも洋風でも

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★☆☆

 剪定のしやすさ ★★☆

 おすすめ度   ★☆☆


 つやつやした葉と赤い実が美しいサンゴジュですが、残念ながら虫に食われることが多く、綺麗な葉の生垣を見ることは珍しいです。防火樹として家と家の境界に植えると良いとされています。

シラカシ(白樫)

 ブナ科 常緑高木

 2~6m程度の生垣向き

 どちらかと言えば 和風

 

 価格      ★★★

 目隠し効果   ★★☆

 剪定のしやすさ ★★☆

 おすすめ度   ★★☆


 何の変哲もない木ですが、ドングリの木です。なんといってもコストパフォーマンスが優れています。他の庭木より相当安価です。なぜなら、関東近郊の田舎なら、そこらじゅうの藪の中に生えているからです。ハウスメーカーの建売でも、これを利用しているケースが多いです。ただし、大木になりますので、長い月日のうちには、間引く必要があります。丈夫な木で寒さに強く、日陰でも育ちますが、常に刈り込んで高さを抑えないと、下の方の枝がスカスカになります。

ドウダンツツジ(灯台躑躅)

 ツツジ科 落葉低木

 1~2m程度の生垣向き

 和風でも洋風でも

 

 価格      ★☆☆

 目隠し効果   ★☆☆

 剪定のしやすさ ★★☆

 おすすめ度   ★☆☆


 あえて落葉のドウダンツツジを取り上げました。冬に落葉するため「リビングが丸見え」という場所の目隠しには使えません。生垣から建物まである程度の距離があって、花や紅葉も楽しみたいというケースに向いています。高さもそれほど大きくなりません。

トキワマンサク(常葉満作)

 マンサク科 常緑低木

 1.5~3m程度の生垣向き

 和風でも洋風でも

 

 価格      ★☆☆

 目隠し効果   ★☆☆

 剪定のしやすさ ★★☆

 おすすめ度   ★★☆

 

 最近多く見かけるようになりました。他の生垣と比べて軽やかな感じがします。白花が基本種ですが、紅花(ベニバナトキワマンサク)の方が人気があります。暖地生まれなので寒さ、乾燥に弱く、環境に適さない場合、葉色がくすんだようになるのが難点です。


ニオヒヒバ

 ヒノキ科 常緑高木

 2~6m程度の生垣向き

 和風でも洋風でも

 

 価格      ★☆☆

 目隠し効果   ★★☆

 剪定のしやすさ ★☆☆

 おすすめ度   ★


 ニオイヒバ自体は、わりと古くから庭木として利用されてきましたが、最近ではコニファー類として、その園芸品種が出回っています。名前の通り、葉をちぎって匂いをかげば、柑橘系の香りがします。原種は高木ですので、背が高くならない品種を選びます。

 

ネズミモチ

 モクセイ科 常緑高木

 2~6m程度の生垣向き

 和風でも洋風でも

 

 価格      ★★★

 目隠し効果   ★★☆

 剪定のしやすさ ★★★

 おすすめ度   ★★☆


 とりあえず何でもいいから、安く、早く生垣を作りたいという方向きです。日陰、潮風、煙害、潮風に強く、土質も選びません。手入れをしなければ、「ネズミモチ」という名前の由来になった、ネズミのフンのような実がなります。近縁種に「トウネズミモチ」というのがありますが、こちらは外来のもので、葉を透かしてみると葉脈がはっきりと見えるので容易に区別ができます。また、最近では「トリカラー」という葉が美しい品種も出回っています。

ヒイラギモクセイ

 モクセイ科 常緑小高木

 1.5~3m程度の生垣向き

 和風でも洋風でも

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★★☆

 剪定のしやすさ ★☆☆

 おすすめ度   ★☆☆


 キンモクセイ、ギンモクセイ、ヒイラギモクセイ・・・・違いが分かりづらいですが、この中ではヒイラギモクセイが一番、葉がギザギザしています。日陰でも育つのが魅力ですが、病害虫の被害に遭いやすく、元気のない生垣が多いのも否めません。

 

プリペット(セイヨウイボタノキ)

 モクセイ科 常緑低木

 1~3m程度の生垣向き

 洋風向き

 

 価格      ★☆☆

 目隠し効果   ★★☆

 剪定のしやすさ ★★★

 おすすめ度   ★★★


 ここ最近では一番人気の生垣用樹種ではないでしょうか。至る所で目にします。成長が早いため、すぐに生垣を完成させたいという方に向いています。寒い地域では冬場に落葉しますので、目隠しとして利用する場合には注意が必要です。

ボックスウッド(セイヨウツゲ)

 ツゲ科 常緑低木

 0.5~1.5m程度の生垣向き

 洋風向き

 

 価格      ★☆☆

 目隠し効果   ★☆☆

 剪定のしやすさ ★★☆

 おすすめ度   ★☆☆


 ボックスウッドは、伝統的な日本のツゲに比べ、葉が明るい緑色であるため洋風住宅や公園、遊園地などに植栽され、軽やかな感じを演出してくれます。ただしボックスウッドを植えた方の多くが戸惑うのが、「冬の葉の色」です。冬は葉の色がくすみます。「枯れちゃったの?」という色です。また、日当たりが良すぎると葉が黒くなることもあって、なかなか難しい樹種です。

マサキ

 ニシキギ科 常緑低木

 1.5~2m程度の生垣向き

 和風でも洋風でも

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★★☆

 剪定のしやすさ ★★☆

 おすすめ度   ★★☆


 昔ながらのマサキは、うどん粉病になることが多かった結果、不人気になりました。「マサキの時代は終わった」と思っていましたが、近年では写真のような、黄金マサキが人気を博しています。マサキよりも明るい印象で洋風住宅にもマッチします。基本的には成長が早く、暑さ、寒さ、日陰、煙害、潮風に強い丈夫な樹種です。

ラカンマキ

 マキ科 常緑高木

 1.5~3m程度の生垣向き

 どちらかと言えば和風

 

 価格      ★☆☆

 目隠し効果   ★☆☆

 剪定のしやすさ ★☆☆

 おすすめ度   ★☆☆


 イヌマキ同様に日陰や潮風に強く、萌芽力があるため生垣に適しています。イヌマキに比べ、樹高、葉が小ぶりなため、上品なマキとされています。しかし成長が相当遅いため、写真のような生垣にするにはやや年月がかかります。

レッドロビン

 バラ科 常緑中木

 1.5~3m程度の生垣向き

 どちらかと言えば洋風

 

 価格      ★★☆

 目隠し効果   ★★☆

 剪定のしやすさ ★★★

 おすすめ度   ★★☆


 もっともメジャーな生垣で、これを選択する方が多い気がします。原種のベニカナメよりも耐寒性、耐病性や環境への適応力が高いとされています。好みが分かれやすい生垣で、新芽の鮮明な赤が、建物や他のエクステリアとマッチするかどうかがポイントです。

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