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クスノキの剪定

クスノキの剪定方法を図解します。

 

葉の色が明るく香りがよい、そして木肌が味わい深いとあって、私は好きな木の一つですが、クスノキを自主的に選択して自宅に植える人はそうそういないでしょう。それは成長が凄まじいからです。男児の成長を祈念して植えるくらいですから、その力強さたるや常緑樹の中でもあまり類を見ません。

 

自分で植えたのではなく、庭にもともとあったとか、建売住宅でなんか知らないうちに植えてあったというケースが多いようです。

 

【クスノキの剪定時期】

クスノキは花や実を楽しむわけではないので、剪定の適期を特定するのは難しいと思います。実際のところ、造園屋さんは一年中、クスノキを切っています。季節に応じて手加減すればあまり問題はありませんが、私の経験では以下のことがいえます(地域によって多少違います。以下、関東地方の場合です。)

 

①春先に剪定

→多くのテキストでは芽吹き前の初春がベストシーズンとしています。確かに木のためにはいいですが、またすぐに伸びるので、作業する側としてはやや虚しさが募ります。

 

②夏に剪定

→軽く枝先を切るのはいいですが、幹が丸見えになるほど切ると、部分的に枯れこむ場合もあります。

 

③秋に剪定

→初秋ならベスト。晩秋ならやや控えめに切れば問題ありません。

 

④冬に剪定

→腕より太いような枝を切って、抜本的に形を変えるにはいいですが、細かな枝先の剪定は、枯れることが多いので、あまり意味がありません。ましてクスノキの葉は一年ですべて入れ替わります。

 

【クスノキの剪定例】

楠の木 剪定

これが剪定前の様子です。ちなみに画面の手前が依頼者の敷地です。隣家の雨樋に枝がかかっていて、いつクレームがきてもおかしくはありません。台風で一気に枝が折れて隣家を破壊するリスクもあります。

 

クスノキは枝が柔らかく、剪定しやすいのですが、その分、登るには危険を伴う木です。枯れた枝がやたらと残っていたり、丈夫そうな枝が急に裂けたりと、足場選びには慎重を要します。

 

↓木の上部は、左の写真のようになっています。枝葉が生い茂っていて、鬱蒼とした感じです。これを右の写真のように、バッサリといきます。アフターの青空がいかにもで、うそ臭い感じですが、同じ日に撮影したものです。

どこから手をつけていいのかわからなくなりますが、最初はノコギリを使って、不要な枝を元から切ります。不要な枝とは、他と絡まっていたり、交差したりする枝です。

 

始めから細かに枝を作ると、後から切った太い枝が当たって折れるなどして台無しになりがちです。どんな木でもそうですが、クスノキは特に折れやすいので、まずは不要な太枝をどんどんと切り落とします。

楠 手入れ

 

 

←こんな感じの交差した枝は、どちらかを元から切ります。常緑樹は全体のシルエット(=樹冠という)を楕円にするのが基本ですので、楕円形に貢献できる方の枝を残します。一般には太い方を残しますが、ケースバイケースで、木を小さくしたい場合は、細いほうで樹冠を作り直すこともあります。

次に細かな枝先の切り方です。

上空で撮影していると、片手にノコギリ、もう片手にカメラという危険な状態になるので、地面に降りて解説します。

任意の分かれ目のところで細枝を残すように切ります。任意とは木全体のシルエットが楕円になる位置です。切っている枝だけではなく、他の枝を見渡して切る位置を決めます。

 

これは木の頂上に立って、下を見た様子です。上から見たとき、円形になるよう上から順に切っていきます。木登りに不慣れな場合、下に降りて全体の形を確認しながら切る、あるいは下にいる人に教えてもらうという方法もあります。

次は細かな枝先の剪定です。おおざっぱにいうと「Yの字」を作って揃えていくことの繰り返しです。

↑もっともシンプルなパターンです。一回切っただけで枝先が揃えば、それで終了です。

↑左端が剪定前です。一見ゴチャゴチャして面倒なようですが、根元を見れば、大きく3つに分かれています。このうち真ん中の枝を切るだけで相当すっきりします(真ん中の写真)。この状態で止めてもいいのですが、枝葉が多すぎると遠くからはキレイに見えません。少し先端を切り揃えると完成度がグッと高まります(右端の写真)。

 

ただし、クスノキは寒さに弱いので、寒さに向かう時季や真冬に枝先を切り過ぎると、枯れてしまう場合があるので注意が必要です。

なお、「Yの字」を作るにしても、木の上の方の枝は、葉が少なくなるように、下の方は葉が多く残るようにします。以下の写真はすべて同じ枝ですが、順を追って葉の数が少なくなります。場所に応じて適宜の段階で止めるのがコツです。

以上、クスノキの剪定について解説しました。木が大きくて厄介といえば厄介ですが、香りがいいので実際に作業してみると気持ちがいいものです。虫がほとんど付かないのも多くの人にとっては有難いのではないでしょうか。

 

最後に剪定後の全体の様子です。(日差しの都合で、剪定前と構図が変わってしまいました。無計画ですいません。)

 

実際に作業される場合、くれぐれも足元に気を付けてくださいね。枝がパキパキ折れます。

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