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モッコクの剪定

 モッコクの手入れを図説します。

 モッコクの剪定は他の庭木と比べても難しい部類に入ると思います。入門したばかりの植木職人が手入れを許されることはまずありません。それは、成長が遅く失敗を挽回するのに歳月を要することと、要領を得ずに手を入れると不自然な樹形になることが理由です。モッコクは屋敷や寺社の目立つところに植栽されていることが多いので尚更です。

 

 例題のモッコクは畑の中で四年ほど放置していたものです。枝葉が大変、混み合っています。ここ最近はハマキムシとカイガラムシの巣窟になっているので、枝透かし剪定をしました。写真は左が手入れ前、右が手入れ後の様子です。

モッコクの剪定

 手入れ前のモッコクの内部の様子です。枝が多過ぎて何から手を付けていいか分からないでしょう。

 

 他の庭木の手入れでも同様ですが、迷ったらまず、「徒長枝(とちょうし)」と呼ばれる、赤丸のついた枝を元から切り除きます。

 徒長枝は文字どおり、「いたずらに長く伸びた枝」で、放置しておくと樹形を乱します。

 

 徒長枝を意図的に残す場合もありますが、それは応用技です。他の枝に養分をまわすためにも、遠慮なく切りましょう。ただし、徒長枝を切ると周りに枝がまったくなくなるような場合は、剪定の可否を慎重に見極めます。

モッコクの選定

 

 次に、左のような細かい枝(胴吹き)を切ります。このようにして木の内側をすっきりさせれば、次の手が見えてきます。

 

 「徒長枝」も「胴吹き」も、他の枝とは色が違うので分かりやすいと思います。

 

 ただし、あまり調子に乗って剪定していると、枝がなくなりますので、周囲とのバランスを考えて作業を進めます。

 次に木の外形を作っていきます。他の常緑樹と同様ですが、モッコクの難しさは、葉が枝先だけに集中していることにあります。

 

 分かりやすいように枝を取り出して解説します。スライドショー形式になっていますので、パソコンの力に余裕がある方は、左上の画像をクリックしてください。 ①上の左、②上の右、③下の左、④下の右という順番で切り進めています。

 なんとなくイメージはつかめたでしょうか。常に真ん中の勢いが強い枝を元から切っていくような感じです。四段階になっていますが、まわりの枝との濃淡のバランスを見ながら、ちょうどいいところで止めてください。

 

 また、木の上の方は薄く(切る枝を多めに)して、下に行くに従って枝を濃く(切る枝を少なめに)していくのは、他の庭木も同様です。

 

 この場合、木全体を小さく仕立てることを想定しています。大きくしたい方は、長い枝が残るようにします。

 

 次に別の枝でもう1パターン見てもらいます。

 こうした作業を木の上から順番に行っていきます。枝数が多いとけっこう面倒で、パズルを解くような感覚が必要です。

 

 本来、モッコクは自然に形が整う庭木ですが、限られたスペースでその魅力をいかすには、こうした枝抜き剪定が必要になります。

モッコク ハマキムシ

 モッコクを刈り込みバサミで丸く剪定して、「玉散らし」状にする方もいますが、おすすめできません。モッコクは葉と葉が触れ合っていると、左の写真のようなハマキムシが生じやすいので、多少面倒でも葉と葉が触れ合わないよう、枝透かしをするのが基本です。

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