庭木で開運TOP > シマトネリコの剪定

シマトネリコの剪定

 シンボルツリーとして大人気のシマトネリコです。

 とても丈夫な木で成長も早いですが、その分、伸びすぎて困っている方も多いと思いますので、手入れの仕方を細かく図解します。

 

 まず、細かな枝先のことよりも、木全体のシルエットをどう仕上げるかイメージします。

 

 シマトネリコは生育環境・地域によって冬に葉を落とす「半常緑」となりますが、常緑広葉樹に準じて、全体の形が長楕円形になるように剪定するのが一般的です。楕円形は縦長でも横長でも構いません。また、通行に支障がある場所なら変則的な形にしても問題ありません。

 

 仕上がりの高さは、自分で剪定できるよう2~3m程度に抑えるのがお勧めです。温暖な原産地では高さが20m程度にも達しますが、日本の都市部でも放置すれば5~6mの高さに達します。

 

 逆に樹高が低すぎると、シマトネリコが持つ本来の樹形の美しさが損なわれますので、上記の高さが適当です。

 

シマトネリコ 手入れ 図解

 左はシマトネリコのダメな剪定例です。在来の庭木のように、刈り込みバサミで葉をザクザクと刈り込んで、「まんまる」に剪定しています。

 時折、モミジでもこうした例を見ますが、これではシマトネリコの持つ本来の美しさを生かすことができません。

 このような手入れは楽です。しかし翌年以降、葉のないところで切られた枝が枯れ込んで見苦しくなったり、枝数が爆発的に増えたりで、長期的には手入れがしにくくなります。

シマトネリコ 剪定失敗例

 続いての写真はいい加減に剪定して失敗したシマトネリコの例です。シマトネリコは丈夫な庭木とされていますが、関東近郊では、秋以降の寒さに向かう時期に枝葉の数を減らしすぎると、冬の寒さで元気がなくなってしまいます。

 完全に枯れることもありますが、多くの場合は剪定された枝がそっくり付け根まで枯れて、その代わりに幹から「胴吹き」という新芽が吹いてきます。この「胴吹き」を大切にして再生すればいいのですが、シマトネリコの持つ柔らかさを再現するには、やや年月を要します。

 

 さて、シマトネリコの仕上がりイメージですが、以下のイラストのような感じです。葉を切り刻まず、細い枝を付け根で剪定して、「何となく楕円形」になるようにします。

シマトネリコ 樹形

 「ウチのシマトネリコはこんな形に程遠い。」という方も多いでしょう。これは最終的な形です。ところどころ枝が枯れていたり、邪魔な枝をとりあえず剪定したため、穴ぼこが空いていることもあるでしょう。今後、数年かけて形を整えるというくらいの気持ちで臨みましょう。

 

 次に一本一本の枝の切り方を図解します。

 もっとも分かりやすい枝を使って説明します。左が剪定前、右が剪定後です。写真の下が幹方向になります。

 

 シマトネリコに限らず多くの樹木に共通する切り方ですが、三本の細枝のうち、まん中の一本を切ります。(ちなみに専門家は「枝を抜く」といいます。「切る」という言葉は縁起が悪いからです。)

 

 写真右は真ん中の枝を抜いただけです。かなりすっきりしますし、手がかかりません。一回切っただけです。道具は「木バサミ」です。ノコギリや剪定ばさみだと、切り口がきれいになりません。

 別の枝でもう一度、手入れの仕方を説明します。

 これも真ん中の細枝を一回切っただけです。どうですか、自分でも簡単に剪定できるような気がしませんか。

 ただし、あまり調子に乗っていると、葉っぱが少なくなり過ぎて愕然とすることになります。途中で地面に降りて、少し離れた場所から木全体のバランスを冷静に眺めてみましょう。

 

 上の写真は、真ん中の枝を抜いていません。真ん中を切ると寂しい感じになる予感がしたからです。真ん中の枝は、元から抜かずに、途中(次に枝分かれしているところ)で切っています。このように臨機応変に切り方を変えることも時には必要です。

 

 また、木の上の方は、かなり葉を少なくしても大丈夫です。しかし、木の中段、下段は意識的に葉を多く残し、遠くから見たときのバランスを整えます。シマトネリコに限らず、庭木は下枝が多い方が、見た目の安定感が出てきます。

 最後にもう一例。上の写真は単に枝を抜いただけではなく、それぞれ細かい枝先を一回ずつ切って整えています。こうして、各枝を「扇形」にしていくと、木全体のシルエットが、いい感じの丸になります。強引に例えれば、ショートケーキを合体すると一つの大きなケーキになるようなものです。

 

 ただし、一つの枝にこだわっていると、木全体の形がおかしくなっていることに気付かない場合があります。一つの枝に夢中にならず、片目では木全体を見ているような冷静さが大事です。

 上の写真が全体像です。左が剪定前、右が剪定後です。

剪定前は施主自身が、手の届きやすい下枝を切ったため、ケヤキっぽい「逆三角形」になっていました。

 

 まだまだイラストのイメージには遠いですが、一気に刈り込むと不自然な形になるので、時間をかけて手入れすることで、イラストのイメージに近付けています。ちなみに今回下枝はまったく手入れをしていません。将来的には上下のバランスを逆にしたいところです。

 

 シマトネリコは切りやすい材質の木です。ほかのページにシマトネリコのすごい失敗例を載せましたが、あの状態になっても、その後復活しています。暖かい時期であれば、みなさんも失敗を恐れずに挑戦してください。

サイト内検索

調べたい木の名前を

入力してください。

カスタム検索