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オリーブの剪定

オリーブのよもやま話

 家庭円満の象徴であるオリーブは、シンボルツリーとしても人気ですが、住宅街できちんと手入れされたオリーブを私は見たことがありません。街中で見かけるのはたいてい以下のどちらかです。

①自然樹形が良いとされているため放置され、枝が下がって乱れ髪のような樹形

②大きくなり過ぎて邪魔になり、ノコギリで太枝と幹をバッサリ切られた「ザンギリ頭」のような樹形

 

放っておくと

 当初、日本ではあまり大きくならないとされ、家庭へ進出しましたが、土地に合えばどんどん成長して枝葉を茂らせ、高さは5m~10m程度までいきます。寿命も長くクレタ島には樹齢2000~3000年という古木もあるそうです。子孫に迷惑を掛けないよう今のうちからコンパクトにまとめておきましょう。

オリーブの剪定時期

 太い枝を間引くのは新芽が動き出す前の2月頃がベストですが、徒長枝(他より圧倒的に長く、細い枝)や枯れ枝、ヒコバエ(株元から独立して生えている細い枝)などは適宜、切除しても問題ありません。ただし、木が若いうちはそれほど手を入れる必要はありませんので、植えてから3年程度は放置して様子を見ましょう。

 

剪定のイメージ

 全体のシルエットが縦長の円形になるのをイメージして剪定します。そもそもオリーブは枝の出方が荒く、ゴツゴツした感じですので、まん丸や真四角にするのは難しいものです。残した枝先がなんとなく円形を作るように意識して剪定します。

 

オリーブの剪定方法

 何も考えずに刈り込みバサミでバサバサと丸く刈り込んでいくのも一つの方法ですが、オリーブは根が浅く強風で倒れやすいという欠点があります。少なくとも数年に一度は木バサミやノコギリを使って枝を抜き、風通しや日当たりをよくしましょう。病害虫の予防にもなります

 また、オリーブの花や実は新しい枝にしかできません。古い枝を大切にしていると収穫は先細りです。

 

 枝抜きの大まかな流れは以下のとおりです。

 

①株元からツンツン生えている細い枝(専門用語では「ヒコバエ」という)をすべて切り取る。残しておくと本体へ回る養分を奪ってしまう。

②樹形を乱している徒長枝(他と比べて圧倒的に元気な枝)を元から切る。

③メインの幹から直接生えている細かい芽(「胴吹き」)を取り除く。

④細い枝が残るよう一本一本の枝に手を入れていく。(詳細は以下で解説します。)

⑤少し離れた場所から全体を眺め、「縦型の円形」からはみ出している枝を④の要領で切る。

 

剪定の具体例

olive
剪定前
オリーブ 手入れ後
剪定後

 この例では刈り込みバサミを使わず、木バサミで枝を抜いて仕上げています。所要時間は1時間半ほどで、かなりスッキリさせました。

 しかし、ここまで書いておいて何ですが、オリーブの剪定は厄介です。個人的には剪定の難しさはトップクラスだと思っています。なぜなら、枝が四方八方に伸びるため、上へ伸ばすように切るべきなのか、下へ垂らすべきなのか、選択が困難だからです。同じような枝の出方をするものにピラカンサスがあります。トゲがない分、オリーブの方が多少はマシかもしれませんが。

 

おりーぶ 手入れ

 

 手入れ前の最上部の様子です。これほどまでに繁茂しているオリーブはあまりありません。まるでカラスがワイヤーハンガーで作った巣のようで、何から手をつけていいのか分からず、戦意を喪失しがちになります。しかし、慌てずに一本ずつ交通整理していきます。

 具体的な方法はこんな感じです。

オリーブの育て方
手入れ前
オリーブの育て方2
手入れ後

 枝全体を見ると複雑ですが、もっとも幹に近い分かれ目だけを見ていけば単純です。場所によっては残った細枝の長さを揃えます。特に木の上の方は短めに揃えた方が、仕上がりがキレイになります。ただし、すべての枝先を切り揃えると、花や実ができなくなりますので御注意を。

オリーブの育て方3
手入れ前
オリーブの育て方4
手入れ後

 場所によっては枝を二段分残します。特に木の下の枝は、葉を多めに残した方がバランスよく見えます。

 一本一本、こんな作業を繰り返します。ただし、前述のように徒長枝や、他と絡んでいるような枝は根元からノコギリで切除します。しかし、面倒だからといって全体をノコギリで剪定するのはNGです。すっきりするのは、その時だけ、そして切った人だけで、ノコギリ中心の剪定をすると、その後、切った以上に枝葉が密生して手に負えなくなります。時間はかかりますが、「急がば回れ」です。

 

 なお、今回例示した方法は、オリーブの花や実のことはあまり考慮していません。オリーブは今年伸びた枝に、来年花実を付けます。従って花実を重んじる場合は、どうしてもどんどんと木が大きくなっていきます。木を大きくしないためには、木全体を剪定するのではなく、年毎に剪定する面を変えたり、隔年で剪定するという方法をとります。

 

 オリーブに限らず、きっちりと形を整えようとすれば花実はある程度、犠牲にせざるを得ません。花実を楽しみたければ多少の不恰好は我慢しなければならない。何に重きを置くかで剪定の仕方は変わってきます。

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