ササの剪定を図解します。
生命力の旺盛なササは、地下茎によってどんどん広がることから、庭に植えるのをためらう方が多いものです。
しかし、日当たりの良くない場所や、管理の難しい斜面などでも丈夫に育つことから、上手に管理すれば優秀なグランドカバー(下草)として使えますし、何より日本の気候に合い、建物との調和も抜群です。
なお、ササとタケの違いは、成長に伴って樹皮が剥がれるかどうかです。タケは樹皮が剥がれ、ササは剥がれません。ここで解説するのはササです。
ササの剪定時期
地方にもよりますが、新しい芽が出る直前の2月下旬から成長が一段落する6月下旬が適期です。多少の手入れなら時期は問いません。
ササの剪定イメージ
ササの種類や用途(下草か生垣かなど)によっても異なりますが、葉が間延びしないよう高さは低めに抑えたいものです。
また、群植している場合、全体を一つのまとまった形に刈り込みますが、この場合、好きな形に切って構いません。
ササの剪定方法
ササは時期を間違えなければ、どのように切っても枯れることはまずありません。しかしそれでは解説している意味がありませんので、以下、面倒な順に四通りの方法を示します。
方法①
道具を使わず、葉の芯(先端の軸)を手で抜く。
ササは芯を抜くことで高さを抑えることができます。葉を途中で切り刻むこともないため、ササに優しく、見た目にもベストな方法です。しかし成長が盛んですから、相当暇な方でなければ持続できません。毎朝、芯を抜くのを日課にすればいいかもしれません。
方法②
木バサミを使ってカットする。
これも、ササの葉を切り刻むことがないため、見た目の美しい方法です。切る位置はお好みの高さです。切った後がなるべく棒状に残らないよう、葉のすぐ上で切ります。ただし、この方法でもササの株が大きい場合は相当な手間がかかります。
方法③
刈り込みバサミ等でまとめて剪定する。
もっとも一般的な方法と思われます。街路や公園のササの場合、ヘッジトリマーで刈り込むこともあります。一枚一枚の葉がどうなろうと気にせず、全体のシルエットを優先して仕上げます。葉を切り刻むため、手入れ直後の見た目は良くありません。しかし、2~4週間ほどで元通りになります。
方法④
株元付近ですべて切り除く。
刈り込みバサミ、ヘッジトリマーあるいは刈り払い機を使って、地上に出ている枝葉をすべて切り除く方法です。剪定といえるかどうか怪しい方法です。しかし、長年観賞し、葉色がくすんできた株を更新したい場合は、おすすめの方法です。適期は春先で、できれば10~20cm程度は枝を残します。なお、真夏にこれをやると死滅することがあるため注意が必要です。
ササの剪定例
上記のようにいろいろな剪定方法がありますが、刈り込みバサミを使った例を紹介します。
剪定作業前です。
このササは毎年刈り込んでいるため、それほど乱れていませんが、通行の邪魔になるため剪定します。
剪定作業後です。
刈り込みバサミを使って、地面から10センチ~20センチの高さで剪定しました。
場所によっては「軸刈り」(枝が棒状)になるため、見苦しいものがあります。
アップで見ると、こんな感じです。
経験がない方だと、「切りすぎ?!」「失敗?」と思えるような仕上がりです。
そして時間が経つにつれ、この後に枯れ込んでくる葉もあります。
剪定作業の3週間後です。
剪定前より葉の色が鮮やかになり、清涼感がアップしました。
このタイミングで更に「葉の芯を抜く」という手作業を行えば、当面は高さを抑えられるのでベストです。
以上、ササの剪定について解説しました。
ササやタケは放置すると鬱蒼とした藪になりがちですし、通風が悪くなるとカイガラムシ等の発生も招きます。
剪定は難しくありませんので、他の植木の刈り込みをする前に、練習としてやってみるのもいいでしょう。