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植木屋の選び方

このHPは庭木を自分で剪定したい方に向けて作成していますが、事情によっては、プロの植木屋さんに頼まざるを得ないこともあります。そこで問題になるのが、植木屋さんの選び方です。

 

植木屋さんの怖いところは、「終わってみなければ出来ばえが分からない」というのもありますが、それ以前に「その剪定の仕方が適切なのかどうか、素人では分からない」ということではないでしょうか。

 

そこで、出来栄えの善し悪しが分からない方でも、職人さんの善し悪しを見抜く7つの方法を記します。

 

私自身、植木屋さんをしていたことがありますが、現在は剪定の依頼を受け付けていませんので、中立的な立場で思うところを書きます。

 

なお、ここでお伝えするのは基本的に、「近所で見かけた植木屋さんの善し悪しを見極める方法」です。お眼鏡にかなったら、トラックに書いてある電話番号に電話するなり、そこにいる職人さんに声を掛けてみましょう。

 

1 道具で見分ける

まず、使っているハサミを見れば分かります。

もちろん、きちんと手入れされているかまで見れればいいのですが、まさかそんな訳にはいきません。「ハサミの種類」です。

 

こういうハサミをメインで使っている業者はダメです。これは剪定バサミといって、果樹の収穫用です。キレイに剪定することはできません。作業の能率を優先するものです。


しっかりと仕上げるには、「木バサミ」と呼ばれるこうしたハサミを使います。遠くからではよく見えないかもしれませんが、実は音で分かります。「剪定ばさみ」は「パツン・パツン」というやや低い音がしますが、木バサミは「カチン・カチン」と甲高い音が出ます。


2 手袋で見分ける

道具よりももっと簡単な見分け方かもしれません。職人が使っている作業手袋です。一番いいのは素手でやっている植木職人です。

 

普通に考えれば痛かったり、汚れが気になったりで素手では作業しにくそうですが、手の感触というのは大切です。そして、土や石と日々接している職人は手の皮が違います。

 

分厚い手袋では細かな手入れはできませんし、安物の軍手では枯れ葉や小枝が絡みついて庭掃除ができません。私も可能な限り素手で作業をしています。

 

しかし素手で仕事をしている植木職人はそうそういるものではありません。せめて薄手の皮手袋、薄手のゴム手袋を使っている職人を選びましょう。

 

間違えてもごく普通の白地に黄色ラインの軍手を使っている方に頼んではいけません。

 

3 木が好きかどうか見分ける

「植木屋さんはみんな木が好き」ならいいですが、他の職業でも同じことがいえるように、実際のところは複雑です。

 

家業だからとか、訳あって仕方なくという人も中にはいますし、他の業種を営む方がビジネスの幅を広げるためにやっている場合も多々あります。

 

木が好きな植木職人は、休憩時間にも自分が手を入れた木の仕上がりを気にしたり、近所の木に目をやったりしますが、木が好きじゃない職人は、自分がやることをやったらオシマイという状態です。

 

しかし、そうした態度を見抜くには常時監視していなければなりません。木が好きかどうかをもっと簡単に見抜く方法は、剪定後の切り口を見ることです。

 

使っている道具の話とも関連しますが、腕のいい職人は切り口がキレイです。木にとっては切り口=傷跡です。

 

植木に興味がなく、お仕事として剪定している人の場合、切り口がギザギザだったり、樹皮がめくれていたりします。これでは傷の治りに時間がかかります。

 

一方、木が好きな人は切り口が一直線でキレイです。さらに丁寧な人は傷薬(=保護剤)を塗ります。仕事に対するこだわりや木に対する愛情によって切り口が明らかに違います。

 

4 服装で見分ける

肉体労働者=ダボダボの作業ズボンというイメージはありませんか?

 

しかし、複雑な形をしている植木相手の場合、ダボダボのズボンでは危険で仕事になりませんし、不要に枝を傷める可能性があります。

 

作業に適したズボンは「乗馬ズボン」と呼ばれるような、スリムなものです。地下足袋を履いているので分かりにくいのですが、裾が広がっているようなズボンを履いている職人はダメです。そして足元は、もちろん地下足袋です。靴では危険ですし、樹皮を傷めます。(しかし地下足袋をはいていない人は、そうそういません。)

 

5 作業の仕方で見分ける

作業の仕方といっても着眼点がいろいろありますが・・・

 

①いきなり木に登ったりしない

②ムダ口をたたかない

③チームワークがよい

④どこを切ったのか分からないけど切り屑は多め

 

以上の4つあたりが分かりやすいでしょう。

 

①いきなり木に登ったりしない

依頼した方としては、日没までの限られた時間ですから、サッサとやってもらいたいのが本音でしょう。

 

しかし、1本2本の植木だけならともかく、ある程度の植木がある場合、どんなにベテランであっても庭全体の風景についてその仕上がりをイメージする時間が必要です。

 

庭に正対して一服してから始めるぐらいの職人が丁度いいのです。

 

②ムダ口をたたかない

植木屋に限らず、いろいろな現場を見ていて気になります。

 

特に現場監督不在時の若い職人に多いのですが、ベラベラ雑談しながら作業するのです。これではどうしても作業がおろそかになります。

 

また、最近はさすがに見かけなくなりましたが、「くわえタバコ」で下草を刈り込みなんていうのもダメです。煙が目に染みて集中できません。

 

③チームワークがよい

ありがちな話ですが、一人ひとりの腕はそこそこでも、庭全体を見渡すと枝葉の濃淡や樹形に統一感がないというケースがあります。

 

職人が互いに競い合って作業をするのはいいのですが、施主としては同じ木なのに木によって手入れがバラバラ・・・では困ります。

 

しっかりした業者だと親方や番頭さんが全体を見渡して修正の指示を出すプロデューサーのような役割を果たしています。

 

また、掃除の仕方などを見ていると、役割分担が明確で、見ていて気持ちのいい業者もいます。

 

間違っても何していいか分からずボーっと立っているような人がいてはいけません。

 

④どこを切ったのか分からないけど切り屑は多め

剪定について細かなことは分からなくても、地面から切り口が目立つかどうかは分かるでしょう。

 

腕のいい職人は木の上にいながらも、地べたからどのように見えるのか意識して剪定の角度を決めます。

 

理想的なのは、どこを切ったのか分からないけど、すっきりしているような仕上がりです。

 

6 掃除の仕方で見分ける

案外、これが一番分かりやすいかもしれません。

 

植木職人というのは掃除が基本です。可能なら作業後の地面の状態を見てみましょう。雑草はもちろん、落ち葉一つないような仕上がりが理想です。

 

「落ち葉は土になるからいいんじゃないの?」といいますが、それは生態系が維持されている自然環境下での話です。

 

都会の人工的な自然にあって落ち葉は、病害虫の温床に過ぎません。そうしたものはすべて取り除くのが基本です。

 

また、どんなに上空の木をキレイに仕上げても、そのキャンバスとなる地面が汚れていては、仕上がりに満足できないのが職人というものです。

 

高いところに登るだけでなく、地を這うような仕事もできるのが一流の職人というものです。

 

7 会話で見分ける

可能なら仕事を依頼する前の「会話」で判断しましょう。

 

植木職人として心得のある人は「木を切る」とは言いません。「枝を挟む」とか「枝をおろす」などと表現します。

 

「切る」という言葉は、縁起の悪い「忌み言葉」とされているからです。また、商売上、お客さんとの「縁を切る」ことにもつながりかねません。

 

「そんなの、古き良き時代の話なんじゃないの」と思われるかもしれません。しかし、縁起云々を抜きにしても、木に対する愛情があれば「切る」という言葉を使いたくはありません。

 

私自身も相手に合わせて「切る」と表現することもありますし、このホームページにおいても再三、「切る」と書いていますが、できれば使いたくないというのが本当のところです。

 

また、自然相手の仕事ですから、木の成長に関してお客さんへ「絶対に~」と断言・約束することはできません。

 

威勢の良さは大事ですが、自然相手では虚勢を張ることはできません。言葉の端々に謙虚な姿勢が見える職人さんが良いでしょう。

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