A 剪定に使うハサミは名前が似ていて、混乱しがちです。「剪定ばさみ」と「刈り込みバサミ」のことを混同して話をしてる方も結構いらっしゃいます。また、この二つの他に、「木バサミ」という道具もあって、本当はこの「木バサミ」が基本のハサミになります。
① 剪定バサミ
プロの植木職人は使用しません。なぜなら、切り口が雑で仕上がりが悪く、木にも優しくないからです。では、なぜ一般的に使用されているのかというと、バネが内蔵されているために、刃の開閉が楽であることと、太い枝でも楽に切ることができるからです。
元々はヨーロッパの果樹園で使用されていたものが、明治時代に指導者とともに日本に入ってきたものです。
これが剪定バサミです。
② 刈り込みバサミ
刈り込みバサミは、柄が長く、植木を丸や四角に切るための鋏です。枝を一本一本切るのではなく、まとめてザクッと切って揃えるので、葉を切り刻むことになります。葉が大きい植木に使用すると切られた葉が目立ち、仕上がりが汚くなります。従って葉の小さなサツキツツジやイヌツゲなどに使うのが一般的です。ただし、キンモクセイやサザンカなどの葉が大きい庭木でも、生垣を作ったり、丸く刈り込む場合に使います。
これが刈り込みバサミです。
③ 木バサミ
質問には出てきませんが、この「木バサミ」が、剪定にもっとも必要な道具です。切り口がきれいで、細かなところに差し込んで使えるため、丁寧な作業ができるからです。
以上3つのハサミとノコギリがあれば、剪定はできます。後はお好みによって必要な道具が変わってきます。
(キレイに仕上げたい場合) → 木バサミとノコギリ
(楽に作業したい場合) → 剪定バサミとノコギリ
(木を四角や丸にする場合) → 剪定バサミ