シマトネリコが枯れる

丈夫で育てやすいとされるシマトネリコですが、環境や条件によっては枯れることがあります。


一般的に樹木が枯れる原因にはいろいろあるため、現物を見ずにその原因を判断するのは難しいのですが、以下にシマトネリコが枯れる主な原因を記します。

じつは枯れていない①

「枯れ」の原因を考える前に確認しましょう。そのシマトネリコはホントに枯れていますか?


植栽後、最初の冬に葉が落ちるのは、よくある話です。シマトネリコは一年中、葉が茂っている「常緑樹」の仲間ですが、元々、南国生まれで、寒さはやや苦手です。関東北部より北では冬季に葉を落とすことが多く、特に十分に根が張っていない若木の状態では「素っ裸」になることもあります。この場合、葉が落ちている状態ですが、枯れてはいません。


ホントに枯れているかどうか確認する方法は簡単です。

枯れていると思われる枝の一つを手で折ってみるのです。簡単に「パキッ」と折れて、断面が白あるいは茶色に近ければ、その枝は枯れています。一方、折れずに「グニャ」と曲がるだけで断面が現れない、あるいは樹皮の間から垣間見える繊維が緑色に近く、湿っていれば枯れていません。


せっかくの枝を折るのは抵抗があるという方もいるでしょうが、シマトネリコは成長が早いので少しぐらい問題ありません。また、ホントに枯れているなら、残しておいても何の役にも立ちません。この方法で枯れていないことが分かったら、ただひたすら春になるのを待ちましょう。

また、寒さによって葉を落とすだけではなく、幹の上部が枯れることがあります。この場合も枯れた部分は切除して樹形を作り直します。

じつは枯れていない②

ややしつこいですが、寒さ以外にも葉を落とすことがあります。それは世代交代です。常緑樹とはいえ、同じ葉が何年も枝についているわけではありません。樹種によって多少時期は異なりますが、多くの常緑樹は春先に古い葉が新しい葉と入れ替わります。4月~5月ころに葉がパラパラと落ちるのは正常な生理現象です。

病気・害虫にやられた

シマトネリコが枯れる
ハマキムシの例

枯れる原因として真っ先に浮かぶのはこれでしょう。

庭木として都市部にも植えられるようになった当初は、病害虫に強い木とされていましたが、御他聞にもれず、すす病、ハマキムシ、アブラムシ、カイガラムシなど、多くの庭木と同じような被害に遭うことが知られてきました。

 

病気の場合は葉が変形・変色します。患部を取り除き、市販の消毒薬で対応します。害虫の場合、葉の一部が食害されたり、蜘蛛の糸のようなものがあったり、黒い点々があったりします。できれば虫そのものを見付けて捕殺するか、木全体を消毒します。

 

薬を使うのに抵抗がある方、害虫と関わるのが生理的に無理な方もいるでしょうが、これらは放置していても解決しません。事態は悪化するだけです。

場所が悪い

日照時間が長く、陽射しが強い夏場に、先端の葉が脱色して縮んでいたり、葉の縁が茶色くなっている場合は、「葉焼け」という現象です。シマトネリコは涼しげな雰囲気が魅力ですが、葉は薄く、そこに含まれる水分は多くはありません。陽射しがギンギンに照りつけるような場所を避け、明るい半日陰へ移動しましょう。移植は3月から7月までの間、できれば4月か5月ころに行うのがベストです。なお、変色した葉は元に戻りません。気になるようであれば元から切除します。

切り過ぎた

シマトネリコは相当に普及していますが、その剪定の仕方はあまり普及しているように思えません。たいていは放置した揚げ句に、思いっきり切られるというパターンです。ご存知のとおり植物はその成長に必要な栄養の一部を自分の葉で作っています。切り過ぎるということは作られる栄養が減るということを意味します。結果、シマトネリコは残された葉だけで維持できる大きさになろうと自分自身で調整(=枯れる)します。



この他にも、土壌が悪い、肥料のやりすぎ、水のやりすぎ、やらなすぎなど、いろいろな原因が考えられます。なおシマトネリコの手入れについてはシマトネリコの剪定 を参照してください。

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