前々回に続いて街路樹の話である。
拙宅では縁側に座って庭を眺めると、庭のバックに街路樹がよく見えるようになっている。
当初からそのように設計して樹木を配置し、自分の家の庭木は背丈を低く抑えてある。街路樹を「借景」としたお陰で、家の内外に連続性のある眺望を確保することができている。
この方法は維持管理が容易になるので、条件の合う立地の方にはお勧めだが、一つだけ問題がある。
それは、街路樹を自分好みに剪定できないことである。
街路樹に登って自分で剪定すれば、その分、職人の手間が減り、税金の節約になるだろうとも考えるが、実際のところはそうもいかないであろう。
役所がらみの仕事となると、「やると決まっていることは、やるしかない。」ので、私が剪定したとしても、重ねて剪定するだろう。
そもそも入札で価格が決まっているので、コスト減にはならない。職人は喜ぶかもしれないが・・・。
また、街路樹は道路交通法で、道路標識と同様に「道路の付属物」とされているので、街路樹を自分好みに剪定するということは、例えば「止まれ」の標識の色を自分好みの色に塗り替えるようなことかもしれない。
試しに役所に電話したことがあるが、「邪魔だから伐採する」というように勘違いされ、最後まで話が嚙み合わなかったものの、「こちらで計画的に実施していますので、御自分で切るのはやめてください。」という、予想どおりの答えが返ってきた。
さて、冒頭の写真である。実はブログタイトルに反して、仕事を落札した事業者さんが剪定したものである。(樹種はシラカシ)
自分で剪定したいという気持ちは、相当強いのだが、同時に近所から「不審者扱い」されるのでは?という考えも根強いので、自分でやるのはこらえている。
写真のシラカシについては、やや専門的に言えば、樹冠がそろっていないのは気になるし、ところどころに「トビ」が残っているのもいただけない。しかし、そんなに悪い手入れではないと思う。
多くの街路樹は例年同じところで切られて、「コブ」状になっているか、切られすぎてゴツゴツしているものである。それに比べれば、柔らかさが残る手入れである。(樹齢が若いせいもあるが。)
実は拙宅の前だけ、職人がなぜか丁寧にやっていた。理由は分からないが、私がずっと庭いじりをしながら、視線を投げかけ、プレッシャーを与え続けていたからかもしれない。
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