庭木には寒肥をあげましょう

 「寒肥」とは「元肥」とも言いますが、文字どおり、1月~2月ころの寒い時期にあげる肥料のことで、今がその時期です。

 

 寒くて気乗りしないので、ついつい後回しにしていましたが、私は本日、実施しました。

 

 寒肥には堆肥、油かす、魚粉といった「天然由来=有機質」の肥料を施すのが一般的です。かつては家畜の寝床のワラや糞尿を発酵させたものなども利用していました。

 

 ようするに身近にあったものを生活の知恵として使っていたのです。しかし、今どきの住宅地でそんなものを使う人はいないでしょうし、逆に入手困難かもしれません。

 

 いずれにしても、こうした肥料は土中で分解されるとき、炭酸ガスが発生するので、土の中の温度が上がり、保温にもなります。ちょうど、冬場に人間が炭酸ガスの出る入浴剤を使うようなイメージでしょうか。

 

 こうした有機肥料に速効性はありませんが、効果は長期間続き、春以降の生育を助けます。(ちなみにこうした種類の肥料を「遅効性肥料」といいます。)

 

 肥料のやり方はいろいろあります。造園のテキストには、幹を中心として、幹の太さの3~5倍離れた同心円上に溝を作って肥料を与えるといったことが書かれています。これは理想です。

 

 しかし、一般家庭の庭は草花だらけで、隙間がありません。実際のところは、空いている場所に、細い杭や鉄筋棒で深さ20cm~30cmの穴を開け、そこに肥料を流し込みます。このとき、よく突いて土と混ぜないと根を傷めることもあるので注意です。また、穴を開ける場所は毎年変えるのがベターです。

 

 もう少しスペースに余裕があれば、スコップを使うのも手です。枝先の真下より少し内側にスコップを突き刺し、スコップを抜かずに少し傾けて、土とスコップの間に隙間を作り、そこへ肥料を入れます。

 

 このときに根が少し切れますが、これも生育には好ましいことです。無駄な枝の発生を抑えたり、新しくて元気な細根を出す効果があります。

 

 寒くて大変とイメージしがちですが、あっという間に体が温まりますので、みなさんも是非、お試しください。

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