植木職人用語事典 マ行

まるく(動詞)

 剪定で出た枝葉を50センチ程度に切って、荒縄で結んで束ねる作業。パッカー車のない造園業者では、一日中ひたすら繰り返される作業であり、新米の仕事となる。「早くまるけ。」、「とっととまるっちまえ。」、「まるっとけ。」、「まるきますか。」と活用形も多い。名詞形は「まるき」で、この「まるき」を手早くできるようになるには半年くらいかかる。また、「まるき」が早くなれば先輩の仕事に追いつくため、剪定を教えてもらえることもある。

 

水極め(みずぎめ)

 木を新たに植えた場合や移植した後、十分に水をやって作業を仕上げること。木の種類によっては、水をやらずに「土極め(つちぎめ)」といって、植え穴に土を戻すだけ終えることもある。

 水をやることも目的だがそれ以上に、植え穴に泥を入れて、根の周りに空洞を作らないことが目的である。このため竹や鉄筋棒、バールなどを使って土を突きながら水をやるようにする。また、ある程度、水を入れたら木全体を揺すってみると、まだまだ空洞があることに気付く場合がある。

 

水鉢(みずばち)

 木を新たに植えた際、あるいは移植した後、木の根元周辺に作られた、すり鉢状の土の壁のこと。木にとっては植えられた直後が生命の危機であるため、水を集めやすいように、このような作業をする。

 ただし、放っておくと根張りがよく見えず、みっともないので後生大事に水鉢を残さず、数週間~数ヶ月したら水鉢は壊す。現場では「水鉢を切れ。」という言い方をする。「木の根元に水が集まるよう、土で円形の城壁を作りなさい。」という意味である。慣れないうちは、ミツバチと聞き間違え、何の話をしているのかも虚ろになってくる。

 

三葉透かし(みっぱすかし)

 剪定用語。枝先に葉を3枚残して、他は取り除く手法で、伝統的なもの。モッコク、モチノキのような伝統的な庭木に用いるもので、雑木やコニファーには不適であり、最近の植木屋でこうした手入れをしている人は少ない。

 風通しが良くなり病害虫を防げるが、下手な職人がやるとゴツゴツとした不自然な仕上がりになる。

 

箕(み)

竹製あるいはプラスティック製の大きなチリトリのこと。一文字なので聞き取りづらく、これをめぐって怒られることも多い。「み、持ってこい。」とは誠に聞き取りにくい。

 また、ホウキとの相性が悪いとうまく、箕にゴミを入れられないので、手で取って方が早い場合が多い。

 

目通り(めどおり)

木の値段を決めるための指標の一つ。地上から120センチの高さにおける、木の幹の太さ(円周)のこと。木の価値は木の年齢で決まることが多いが、雷や台風、病害虫、天候の影響等もあって必ずしも木の樹齢=木の高さとはならない。むしろ幹の太さの方が尺度としては安定しているため、太さを測る場所を統一して、売買の目安にしている。

おそらく昔の職人の身長では、この120センチあたりが目の位置だったのだろうが、今では違和感のある言葉になっている。「目通り周」ともいう。

 

もみあげ

松などの針葉樹の手入れに使う言葉。茶色くなった古葉を手でしごきとることで、主に冬場に行う。古い葉っぱは放置していればやがて落ちるが、いつまでも垂れ下がっていては見てくれが悪いこと、枝の内部まで光を当てて新芽の成長を促進すること、病害虫の温床を作らないことなどを目的に行う。作業自体はつまらないが松の手入れには欠かせない。「古葉かき(ふるはかき)」ともいう。

植木職人用語事典索引

 

 あ行  か行  さ行

 

 た行  な行  は行

 

 ま行  や行  ら行

サイト内検索

調べたい木の名前を

入力してください。

カスタム検索