2016年
11月
03日
木
私が住む地域でもようやく葉が色付き始めました。本日は天気も良く絶好の行楽日和ということで、近くの公園に出掛けました。
私は頻繁に公園などで樹木観察をしているのですが、今年はいわゆる「狂い咲き」が例年になく多い気がしています。今日はヤマツツジ、レンギョウ、オトコヨウゾメなど一般的には春に咲く花木が咲いていました。台風が多い年は狂い咲きが多いと聞きますが、今年はソレかもしれません。
ところでタイトルにあるワタアメの匂いの木とは、カツラのことです。葉がしおれるころになると、辺りに甘い香りを放つ高木で、名前の由来も「香出」にあるとされます。今時分は黄葉が美しく、目立っています。
2016年
7月
10日
日
春から続いた百花繚乱も一段落し、今頃に咲いている花木は、ごく限られている。その中でも目立つのがタイトルの二つだ。
ネズミモチ(今、関東地方で咲いているのはトウネズミモチ)は、庭木の中で言えば、いわば「雑魚」で、すき好んで植えるような木ではなく、「予算はないけど、取りあえず何か植えておかないと気まずいでしょ。」という場合に使われたり、鼠の糞のような実に含まれる種子が鳥などによって運ばれて勝手に増えたりする木だ。まして今咲いているトウネズミモチは、環境省が「生態系被害防止外来種」にリストアップしている侵略者だ。
一方のシマトネリコは私がこのホームページのあちこちに記しているように、最も人気のあるシンボルツリーであり、世間的にはいわば庭木の「花形」であり、すき好んで植えられている。
この扱われ方がまったく異なる両者が、今、同じように花を咲かせている。
2016年
4月
17日
日
暇さえあれば関東地方にある植物園や公園を歩き回っているのですが、時折、残念に思うことがあります。それはやはり「剪定の仕方」です。
著名な公園では適切に剪定されている場合も多いのですが、それでも「こんな広いところでなぜこんな丸坊主の剪定が必要なのだろう。」とか、「何でもかんでも刈り込んじゃって・・・」と思うことがしばしばあります。せっかく時間を作って出掛けた先で落胆するのは辛いものです。
どこかに、確実に適切な剪定がされている植物園はないのだろうかと、数年前に考え、あちこち見て回った末に行きついた先をお教えします。
それは「皇居東御苑」です。
穴場でもなんでもありませんね。日本のど真ん中です。
真ん中過ぎて一般的には思い付きにくい場所です。
行ったことがある方は読み飛ばしてください。
かつて私には、「皇居=黒松」のイメージしかありませんでしたが、ここは花木や雑木、山野草などが充実しており、半端な植物園よりもよほど植物園的な場所です。樹木の名札も数多く付いています。
こんな話をすると、「皇居って普段も入れるの?」という反応が多いのですが、東御苑は皇居の外側にある庭で、一般人でも普通に入ることができます。しかも無料で。(開園日等は複雑なので公式HPで確認してください)
これまでに何度も通いましたが、さすがは皇居です。四季折々に通っていますが、許せないような剪定に出会ったことはありません。
もっとも東御苑は東京のど真中とはいえ、スペースが広大なので、無理に切り詰める必要がないことも影響しているのでしょう。しかしそれ以上に、おそらく見習いの植木屋さんは手を触れさせてもらえないことや、場所柄、職人が面子にかけて手抜きせずに作業をしていることが主たる要因でしょう。もちろん、予算もそれなりにあるのかもしれません。あくまで私の邪推ですが・・・・
東御苑の良さは他にもあります。それは、海外旅行気分に浸れることです。日にもよりますが、苑内にいる人の割合は圧倒的に外国の方が多く、滞在中はほとんど外国語しか聞こえません。彼らがどの植物に、どんな反応を示すのかを観察するのも大変おもしろいのです。
皇居はいろいろな地域からアクセスしやすい場所です。いらしたことのない方は是非、東御苑を散策してみてください。なんとも不思議な気分になるはずです。
2015年
9月
30日
水
以前、ヒノキとサワラの見分け方について書きましたが、そもそもスギとヒノキの見分け方が分からない、同じように見えるという方が私の周りには多いので画像をアップしておきます。
2015年
4月
19日
日
以前、雑草の話でも書きましたが、我々は「知らないことは見えない」のだなと、改めて感じたことがあります。それはモミジの花です。
今ごろの季節に、町中の至る所で開花しています。しかし、その話をすると、きまって、「モミジって花、咲くの?」という展開になります。
まぁ無理もありません。なにせ地味な花です。
モミジのためにも、撮りたての写真をアップしておきます。
2015年
4月
18日
土
近所ではあちこちに、この花が咲いています。「トキワマンサク」です。近年かなり人気の木ですが、この時季は特に目立ちます。落葉性のマンサクに対して、年中、葉をつけているので「常盤満作」となります。
土質や環境によっては冬場に多少、葉を落とすことがあるので、垣根として万能とはいいがたいのですが、それでも大ブームです。
2015年
4月
05日
日
花見の時期ですが、あいにくの雨
おかげでPCに向かうことができました。
花見といえばサクラですが、その近くにいる脇役として、ユキヤナギやレンギョウがいます。ユキヤナギについては毎年、疑問に思うことがあるのですが、最近になってそれがスッキリしました。今日はそのお話です。
2014年
9月
20日
土
過ごしやすい季節となり、庭の作業もしやすくなりました。この時期に春先から伸びた分をまとめて一気に剪定するという方も多いことと思います。
ところで、よく質問を受けるのですが、木は一年でどのくらい伸びるのでしょうか。
植えたばかりの頃は目隠しになることや果実の収穫を願って「早く大きくなれ」と肥料をあげますが、大きくなり過ぎると通行の邪魔、御近所の迷惑が気になって大胆に伐採するなど、人間は勝手なものです。
しかし、成長のスピードがある程度分かっていれば、長期的な視点で庭木を選ぶことができそうなものです。もちろん環境や樹齢によって成長速度は大きく異なりますが、以下、自宅を含めていろいろな場所で作業している私の実感から記述します。
なお、数値は剪定せず放任した場合の話で、幹の高さではなく、目の高さぐらいのところの枝の伸びしろです。
2014年
4月
30日
水
みなさんは「ハンカチの木」をご存知でしょうか。
私の家の近くにあるのですが、例年、なかなか「ハンカチ」を見ることができずにいました。
そこで今年こそはと思って、いそいそと見に行ってみると・・・
2013年
10月
21日
月
庭木の好きな人にとっては、周知のことかもしれませんが、ヒノキとサワラの見分け方について、よく質問されるので、今後に備えて写真を使って記録しておきたいと思います。
ヒノキもサワラも同じヒノキ科の常緑針葉樹です。木の姿はどちらも写真のような感じです。この両者の違いは、しばし造園屋さんの間でも話題になります。
もちろん、仕事上必要な知識であることは確かです。以前知り合いから、ヒノキの生垣を注文したら、サワラの生垣になっていたという話を聞いたことがあります。見た目に大きな違いはないので、大問題というわけではないですが、信用に若干関わります。
また、職人さんが受験する「造園技能士」という国家試験の問題に、この両者が出題されることから話題になることもあります。
印象だけで答えると、サワラはヒノキより全体に白っぽくて、葉の先端が尖っている、ヒノキはサワラより葉っぱが短い、枯れこんで茶色くなっている部分が多いという感じですが、これでは感覚的な話になってしまいます。
さぁ本題です。以下の写真、どっちがどっちでしょうか?
2013年
8月
26日
月
緑のカーテンについてです。
設置したときは話題にするけど、その後、話題になりにくい気がしますので、あえて盛りを過ぎた今の時季に。
私は、あまり流行と関係なく生きているのですが、ゴールデンウィークごろになると習慣的に、今で言う「緑のカーテン」をこしらえます。これまでゴーヤ、アサガオ、ヘチマ、キュウリなどを育てました。
今年は何にしようかと悩みました。野菜類はゴーヤを筆頭に食べきれないほど実るので、収穫を休むと見苦しくなるというデメリットがあります。また、特にウリ科は連作障害という問題もあります。
そこで今年は路線を変えて、「風船カズラ」にしました。写真が8月末現在の様子です。葉の面積が小さく、窓を覆い尽くすほどにはなっていないため、おそらく物理的には冷却効果が低いでしょう。
ただ、この風船カズラは、小さな白い花とホオズキのような風船状の実が非常に涼しげで、心理的な冷却効果は、他の植物に劣りません。また、熱帯生まれなのに、昭和の雰囲気があるのも何とも言えません。余談ですが、風船カズラには「ハートバルーン」という、ちょっと恥ずかしい別名もあります。
実は次々にできるのですが、先週くらいから茶色く変化するものが現れてきました。中身がどうなっている空けてみると・・・
2013年
8月
17日
土
お盆を控えた時季は親類や知人宅の剪定が忙しく、更新の暇がありませんでした。ようやく落ち着いたので久々に書いてみます。
このところ、いろんな庭木を剪定しましたが、剪定をする甲斐のある木と、そうではない木がはっきりします。やりがいがあるのは、手入れをすればするほど樹形が整う木です。マツなど伝統的な庭木がその部類です。
一方、やりがいがないのは、毎年やたらと大きく成長して、庭の景観を損ねる木や、庭の持ち主が迷惑がっているような木です。(「枯れてもいいよ」なんて言われている木です。)
以下、まったくの私見ですが、庭に植えない方がよい木を列挙します。なお、これらは縁起云々ではなく、物理的あるいは管理上、やっかいだと思う木です。(縁起については、別ページを参照してください。)また、広大な庭をお持ちの場合は、植えても問題ないと思います・・・・。
プラタナス、ユリノキ、メタセコイア、クスノキ、キョウチクトウ、ピラカンサス、ザクロ
①プラタナス(スズカケノキ)
庭に植えようと思う方は少ないと思いますが、とにかく大きくなります。そして成長が早いです。たとえ太い幹を根元近くで切断しても、翌年にはそこから大量に新梢を出します。また、一枚一枚の葉が大きいので、木を小さく(2~3m以内)仕立てると不恰好になります。そして、やっかいなのが、夏過ぎに葉の裏毛?に白い粉がつくことです。おもいっきり剪定していると、クシャミが止まらなくなります。若い頃に、連日プラタナスの街路樹を剪定していたら、喘息のようになりました。
②ユリノキ(チューリップツリーともいう)
プラタナスと、ほぼ同じです。植える場所にもよるのでしょうが、成長が早く、やたらと大きくなります。葉が大きいので、相当のスペースがないと形を決められないのも、プラタナスと同じです。
③メタセコイア(曙杉ともいう)
これも個人宅に植える方は少ないでしょう。湿気の多い土地なら、あっという間に巨木になります。そして落葉期には、粉雪のように(色は茶色ですが)落ち葉が一面に舞い散ります。下草が埋もれて景観も損なわれます。
④クスノキ
案外、一般住宅に植栽されています。成長が早いのは前三者と同様ですが、クスノキは常緑樹ですので、剪定をしなければすぐに庭が鬱蒼として暗くなったり、隣近所にはみ出したりします。
⑤キョウチクトウ
毒性があることで知られるキョウチクトウですが、これもまた、背丈は高くなり、株が大きくなります。放置しておくと相当なスペースを侵食します。また、剪定によって形を整えるのは難しく、周囲の景観と溶け込みにくい成長の仕方です。
⑥ピラカンサス、⑦ザクロ
どうしても庭に植えたいという愛着がある方は気にしないでしょうが、どちらもトゲがあるので厄介です。剪定した枝は他の庭木の枝葉とは別に扱う必要があります。
2013年
7月
17日
水
キンモクセイとギンモクセイ、そしてヒイラギモクセイの違いについて、葉っぱの写真を使って解説します。
キンモクセイとギンモクセイの違いは花を見れば分かりますが、花のない時期の方が長く、素人目には区別しにくいものです。
見分けるポイントは葉の周りのギザギザ(鋸歯=「きょし」と言います)です。できるだけ同じような大きさの葉を集めて比べました。
2013年
6月
15日
土
雨が去った後、久しぶりに庭を点検してみると、ナツメの花が咲いていました。地味ですが、独特の風貌です。
おおざっぱに言うと、黄緑色?で星型の小さな花です。
我が家のナツメは植えてから2~3年で、高さも1m程度なので、花に目がいきますが、高木になれば目立たないのではないでしょうか。
2013年
4月
22日
月
庭に何を植えようか迷っている人に「あまり大きくならない木って何?垣根で目隠しにしたいんだけど。」と聞かれることがあります。
また、庭木に詳しい人が、「○○の木は大きくなるから、気を付けないとねぇ。」という話すのを聞くことがあります。
いずれも素直に聞き入れられない話です。「あまり大きくならない木」の定義が難しいです。
例えば、生垣にするには1.6m~2m程度に育てる必要はあるでしょう。そして、目隠しなら常緑樹です。生垣に使われる一般的な樹種だけで考えても
イヌツゲ 8m(最高で、以下同じ)
イヌマキ 20m
オリーブ 5m
カイヅカイブキ 8m
カナメモチ 5m
キンモクセイ 10m
サザンカ 6m
サンゴジュ 7m
ツバキ 7m
ヒイラギ 5m
モチノキ 8m
ラカンマキ 7m
ざっと、こんな感じです。環境や樹種、個体差によって変動は大ありですが、いろんな資料の平均値です。もちろん、最大に大きくなるのは相当の月日がかかります。何が言いたいのかと言うと、「放っておけば木は大きくなる」ということです。また、「あまり大きくならないというのは、どのくらいのスパンの話ですか?」ということです。
またこのことは、「剪定すれば小さく抑えられる」ということでもあって、その技術を用いた盆栽は日本が世界に誇るものです。樹齢何年、何十年でも(樹種にある程度限りはありますが)剪定次第で高さをコントロールしているのが盆栽です。
ですから、冒頭の会話はモヤモヤするのです。あまり大きくならない木は、管理次第とも言えるのです。
しかし、そんな回答を望んでいないという方のために、本当の意味であまり大きくならない木で、生垣に使えそうなものを記しておきます。
キャラボク(3m)、クチナシ(1.8m)、ジンチョウゲ(1.5m)
プリペット(2m)、ベニバナトキワマンサク(2.5m)・・・・
書いていて気付きました。最後の二つは、だから人気なんですね。
キャラボクも頑張れ。
2013年
3月
09日
土
ここ最近、急激に春めいてきました。身近に花粉症の方が多いので、声を大にして言うのは難しいのですが、私はいろいろな植物が動き出す春が好きです。
街中ではウメが見頃を迎えつつあります。我が家の庭にも春が訪れていないか点検してみると、ピンクユキヤナギが一輪だけ咲いているのを発見しました。
写真はピンボケで分かりづらいかもしれませんが、花言葉どおりに「愛嬌」を振りまいています。ちなみに、まわりの葉はユキヤナギではなく、矮性の斑入りマサキ(姫マサキ)です。
春といえば一般的にはサクラですが、私にとっては、ユキヤナギやコブシの方が馴染み深く、こうした花が咲くのを見ると、新たな季節の始まりを実感します。
他にもコノテガシワの花を発見しましたが、こちらは地味過ぎるので割愛します。
中年を過ぎて今更、何かが始まるわけでもないのですが、いろいろな草花が準備万端でスタートラインに立っているような今頃の季節は、気持ちが明るくなります。花粉症の皆さんには申し訳ないですが・・・。
2013年
2月
25日
月
石川県生まれの方と話をしていたら、ある木のことを「アテ」と呼んでいた。話がかみ合わず、調べてみると「アスナロ」のことだった。
関東地方でアスナロを庭木と使用している個人のお宅はあまり見かけない(皆無ではないが)が「明日はヒノキになろう」で有名な木である。
地方によっていろいろな呼び方があるのは植物のおもしろいところだが、「アテ」とは初めて耳にした。石川県では県の木にもなっているらしい。
また、最近見たテレビで、寺社の修復に使うヒノキの大木がないので、ヒノキの代わりに青森の「ヒノキアスナロ」を使ったという話をしていた。
「明日はヒノキになろう」っていうのに、どっちつかずの「ヒノキアスナロ」がいるなんて、なんとも座りの悪い、中途半端なネーミングだなぁと妙に記憶に残った。
確かにヒノキやサワラやアスナロは、見分けにくく中間種があっても一向に不思議ではないが、植物の名前について考えさせられたここ数日であった。
2013年
2月
16日
土
我が家は幹線道路から50mほど離れた場所に立地しているが、現在のところ道路と我が家の間は空き地になっており、日によっては交通音がすさまじい。
家を建てた当初は植栽によって、騒音を防ぐことはできないかと考え、いろいろと調べてみた。
結論として、防音は不可能ではないが、難しそうだ。
家と音源(道路、鉄道、工場など)の間に余分な土地を持っていて、幅10m×高さ5m程度に渡って、植木を密に植えることができれば、ある程度の防音は可能なようだ。
木の種類は、カシ類、シイ、モチノキ、モッコク、ヤマモモ、マテバシイ、サンゴジュ、カイヅカイブキあたりになる。大きめの葉が蜜に生える樹種である。
そしてこれらの木は、上方へ伸ばすと下枝がなくなるので、下草としてツツジ、ツバキ類を併用し、家と道路の間に上から下まで緑の壁を作るのだ。実施のところ、気の利いた工場の周りにはそのように植栽されている。
葉の数が多ければ多いほど、反射して減音しやすくなるし、肉厚な葉であれば含まれる水分も多く物理的に遮断しやすい。
しかし、幅10mに渡って植木を植えるスペースなど、そうそう取れるものではなく、私は実行できていない。
ただし、音源との間に何もないよりは、幅10mに満たなくても植木を植えた方が心理的に良いようだ。ようは「気持ちの問題」というものだ。
実際に住んでいる人に感想を聞いたことはないが、道路沿いの家の玄関前にヤマモモやキンモクセイなどを鬱蒼とさせているお宅がある。風水的にはよろしくないが、音でイライラするよりはマシであろうか。
2013年
2月
10日
日
ここ最近、風が強い日が多く、どこからともなくやってきた落ち葉たちが、我が家の庭に散乱している。
庭の掃除をしながら「風に強い木」について考えてみた。
当然、表面積の大きい木は、まともに風が当たるので、強風で倒れやすい。台風の後、枝葉の多いコニファー類が転倒しているのはお馴染みの光景である。
しかし、表面積の問題は、透かし剪定をすれば解決する。そもそも、ある程度の大きさの木は、十分に根付くまで、竹や丸太で支柱を作っておくものだ。
それよりも、生育上、風に弱いものが問題である。生長点のある枝先が絶えず風で揺れ、生育不良になるものがある。いくら新芽が出ても風にやられて一向に成長しないのである。
風に強い木は、この逆で、枝葉(特に新芽)がしっかりしたもので、以下の樹木あたりが該当する。
アカマツ、クロマツ、イヌマキ、スギ、アラカシ、シラカシ、ツバキ、サザンカ、シャリンバイ、タケ類、トベラ、ネズミモチ、シイ、クスノキ、ニレ、イチョウ、ヤマモモ
海辺や山の尾根を想像すればいいかもしれない。また、人気のシマトネリコも風に強いとされる。おそらく柳のように風を受け流すからであろう。そうした意味ではヤシ類も強い。
分厚く、なおかつ細長い葉は、海からの強風に耐える構造になっている。フェニックス、ワシントンヤシ、シュロ、ニオイシュロラン、そしてソテツあたりを海沿いの街路樹にするのも頷ける話である。
2013年
2月
06日
水
私が、自分の家にモッコクを植えているという話をすると、「モッコクって何だっけ?」という反応が増えてきました。
若い人相手ではなく、60歳前後の人と話をしていても同様です。「えっ、モッコクですよ、モッコク。」と言っても理解されず、気まずい雰囲気になります。
成長が遅く、整然とした自然樹形はかつて「庭木の王様」とされましたが、今では「マイナーな木」として認識を改めた方が良さそうです。
モッコクは、ある程度の大きさがなければ風格が出ず、風の流れがないところではハマキムシやカイガラムシにやられやすいため、現代の住宅事情において、その魅力を発揮できないのは当然かもしれません。
また、人気がない理由として更に、花や実に「これといった印象がない」こと、そして「葉っぱに特徴がないこと」が考えられます。
主張し過ぎないことがモッコクの最大の魅力で、夜にひっそりと月明かりに照らされた葉の美しさが格別なのですが、共感を得るのは年々難しくなっているように感じます。
モッコクが再度、脚光を浴びることはないかもしれませんが、私は、寺社や古い屋敷に残るモッコクの老木を見るたび、その美しさに惹かれます。
2013年
1月
14日
月
近所で火事があった。幸いすぐに消し止められたが、消火の様子を見ていて心配になったのは、その家の庭にコニファー類が多かったことである。
近頃の家は、オール電化などで、昔に比べたら火災のリスクは減っているが、それでも火災にはいろいろな要因があるので、安心することはできない。
特に住宅密集地が多い都会では、自分の家が磐石でも、隣地から飛び火するリスクと背中合わせである。
防火樹という言葉があるが、現代でも樹木に防火の役割を期待する風潮が残っているのだろうか。むしろ、「木は燃えやすいんじゃないの?」で片付けられるのがオチであろう。
防火樹の条件は、家の軒より高くなること、葉や幹に含まれる水分が多いこと、水の吸い上げが良いことなどだろう。
防火力の強い木の代表は、イチョウである。「大火事になったとき、イチョウから水が噴出して火が消えた。」なんていう伝説がいろんな地方に残っている。
そこまでではないにしろ、イチョウを敷地に点々と列植できれば理想的であろう。昔の学校はその辺りのことを考えてイチョウを植えていたものだ。
ただし、一般家庭では難しい話だ。雌を植えれば銀杏にクレームが来るだろうし、落葉性であるため、冬は武者立ちのイチョウの姿が寒々しい。
ベターなのがサンゴジュだが、病害虫にやられやすいのが難点である。他にはシイノキ、モチノキ、ユズリハ、マテバシイ、ヤマモモあたりだろうか。つまり、よく工場の周りに植栽されている樹木が防火樹にも適している。
防火樹の反対に、火を呼ぶのはどんな木だろうか。その代表が冒頭のコニファー類であるのは、想像に難くないであろう。同類の在来種として、ヒノキ(名前からして心配)、ヒバ、サワラ、マツ、スギあたりも燃えやすい。キャンプなどでアウトドアクッキングをしたことがある方なら、経験上お分かりであろう。
この他にも、なぜかシラカバとプラタナスが燃えやすい。また、シュロはかなり燃えやすい。シュロの木の近くでバーナーを使って除草していたら、あっという間に火が燃え移ったというような失敗談は枚挙に暇がない。
皆さんも火事には気を付けましょう。
2013年
1月
13日
日
クロチク(黒竹)の話です。
和モダンな家にお住まいの方は、気になる竹ではないでしょうか。
イミテーションも含めてよく居酒屋などで見かける、幹(棹)が黒い竹です。
私は自宅の地窓の外にブロックを積んで花壇状のものを作り、そこへ、もらってきたクロチクを地植えしました。しかし、従前の管理が悪く葉が不健康であったため、根っこだけ残して大部分を元から切りました。
翌年の春、どうなったかというと、何の変哲もない緑色の竹が生えてきました。それはそれで爽やかなので良いですが。クロチクらしさがなく、物足りません。
2012年
11月
25日
日
オタフクナンテンの葉が赤々としてきました。花言葉「私の愛は増すばかり」のとおり、春先からずっと赤くて節操のないのが特徴です。
しかし、やはり暑い夏はやや脱色気味(別ページ「おすすめの庭木」参照)で、霜の降る時季になると再度、赤みが増してきます。また、通常のナンテンと異なり、実がならないのもオタフクナンテンの特徴です。
どんな植木でもそうですが、だれもが購入する時季に購入すると価格は高めです。自宅のオタフクナンテンは季節外れ(葉の色がよろしくないとき)に売れ残りを200円!で購入しました。このあたりの値段が底値です。
背丈はせいぜい50センチほどと高くならないので、目隠しには向きませんが、育て方は簡単で手間がかかりません。植える場所が良ければ放っておいても大丈夫です。
私の経験上、明る過ぎても暗すぎても綺麗な紅葉は拝めず、半日陰の場所が丁度いいです。
オタフクナンテンは成長が遅いので剪定する必要はほとんどありませんが、他と比べて極端に背が高い幹があったら根元から切り除きます。幹の途中で切断すると不自然になるので避けましょう。刃先をハサミで刈り込むような手入れは論外です。
拙宅では上の写真のようにゴヨウマツ、クロチクなどと一緒に植えて、縁起の良さを醸し出しています。
2012年
11月
22日
木
二年前に人からもらって放っておいたマンリョウです。昨年は実がならず,株全体も元気がなかったのでダメかと思っていましたが,今年はたわわに実っています。
ツルツルの実でおいしそうですが,過去に食べてみたらまったくおいしくありませんでした。大きな種も邪魔です。鳥にもあまり人気がないようです。
言わずと知れた縁起木で,お正月になると店先に出回ります。センリョウと混同されがちですが,慣れれば簡単に見分けられるほど両者には違いがあります。
マンリョウを植える場所は強い日差しがあたらないところが望ましいので,大きな木の下にひっそりと植えられていることが多いです。
ただし,野菜でいう「連作障害」が起きやすいため,他の植物を育てたことがない場所がベストです。新築の庭なら問題はないでしょう。
マンリョウの手入れは簡単で,放任が基本です。あくまでも庭の脇役ですので,背が高くなって存在感が出てきたら,4月~5月ころに好きなところで切ります。時期を間違えなければ,葉のないところで切って棒のようになっても,やがて元に戻ります。
また,途中で切らずに,根元から切り取るという方法もあります。私はこちらを推奨します。途中で切るのは不自然で見苦しいからです。マンリョウは実が落ちて,どんどん増えてくるので,一本一本を大事にするより,世代交代させた方がよろしいようです。
2012年
11月
10日
土
家の近くにある大きなクロガネモチです。赤い実が青空に映えてとてもきれいなので写真を撮らせてもらいました。
この木が植えてあるのはスペースが広い場所で,剪定されず放任気味なので,たくさんの実をつけています。
私が住む地域で,個人のお宅にクロガネモチを植えている例はあまりありません。
害虫がつきにくく,火事の延焼を防ぐ防火樹であり,また語呂合わせで,「苦労なく金持ちになる」として縁起がいいのですが,それなりに見栄えのする木となると,いいお値段になります。
ちなみにオスとメスが別の木(「雌雄異株」しゆういしゅ)なので,実を楽しむためにはメスの木を植えなければいけません。
丈夫な木なので,実のなり具合を気にしなければ,いつ剪定しても大丈夫ですが,一箇所から何本も枝が出ていたり,内部の枝が枯れ込んでいたりで,うまく切り戻するは難しいです。
剪定の詳細は別ページにあります。
2012年
10月
24日
水
よく話題になりますが、ベニカナメモチとレッドロビン(西洋ベニカナメ)の違いについてです。
私は漠然とベニカナメモチより赤色が鮮やかなのがレッドロビンというように見分けていました。
今日、ほぼ同じ場所に両者が生垣になっていたので、写真のようにしみじみと見てみました。
左がレッドロビン、右がベニカナメモチです。ベニカナメの方が、色がくすんで見えます。ただし、色は葉によっていろいろなので、色だけで判断するのは難しいことも分かりました。
色よりも確実なのが、葉の形です。レッドロビンの方だけ、葉先がハート型の下半分(ほかに表現が思いつきません。)のように尖っています。
この先端のくぼみ具合で見分けることができます。以上が、レッドロビンとベニカナメモチの見分け方です。
ベニカナメモチは、カナメモチ、アカメモチ、カナメ、アカメ・・・というように、人によって地方によっていろいろな呼び名があるのも、ややこしいです。
「生垣にするには、レッドロビンとベニカナメモチのどちらがいいか。」という質問もよく聞きます。
一般的には、建物が洋風ならレッドロビン、和風ならカナメです。
赤の鮮やかさを、キレイと受け止めるか、けばけばしいと受け止めるか、その人の感じ方によって違いますが、日本的な美しさとは、控えめなものなので、くすんだカナメモチの方が、和風住宅には合う、というのが一般的な見解ではないでしょうか。後はお好みですが。
ちなみに植え付けた後の管理は、まったく一緒です。 基本的には、刈り込めば刈り込むほど枝葉がよく茂って、よい目隠しになります。
しかし、ベニカナメモチはレッドロビンに比べ、寒さや病気に弱いためか、目にする機会が減っています。