2013年

9月

15日

剪定の三要素

 剪定のベストシーズンを迎え、管理人の私は日々忙しく過ごしています。9月下旬以降は、新芽の伸びが少ないため、来春までの樹形を決定付ける大切な時季であるとともに、人間にとっても作業がしやすい季節です。

 

 庭木の剪定をしていると、「どうやって剪定するの?」という質問を受けることが多いものです。それに対して「こうやって~」と答えられれば、当ホームページのような面倒なものはいりません。

 

 私はこれまで剪定に関する本を数多く読んでいますが、納得のいく本に出合った試しがありません。良い本もありますが、いつも何かが欠けています。

 

 剪定の本には必ずといっていいほど、「かんぬき枝」、「からみ枝」、「ふところ枝」、「交差枝」、「平行枝」、「もどり枝」・・・などの図とともに、「忌み枝」の解説ページがあります。

 

 素人は、これに従って剪定しようとするのですが、まず、「どこからどこまでが、ふところ枝なの?」とか、「平行がダメなのは分かったけど、どっちを切るの?」となります。また、すべてを切って、スカスカのボロボロになったりします。

 

 また、忌み枝を十分に理解したとしても、「うちの場合、隣から丸見えだから、目隠しに必要だしなぁ~」という都合もあります。

 

 そして、これがけっこう軽視されているのですが、一本一本の木ではなく、庭全体を一つの景色として見たときにどうかという問題があります。通行人や客人は、全体の印象でしか語りません。一本の松に3日間かけたとしても、横のキンモクセイが鬱蒼としていれば、鬱蒼とした庭に違いありません。

 

 そこで私は剪定する際①生理的要素、②物理的要素、③美的要素の3っを考えることにしています。まったくの個人的な経験則で、学術的なものではありません。私自身が木に登りながら考え、たどり着いた結論です。

 

①生理的要素

 木が持つ性質を考慮して剪定することです。たいがいは剪定の教科書を読めば分かることです。

 

・花や実は、短い枝になることが多いため、長い枝は切り詰める。

・厳寒期は強い剪定をしない。

・株元から生えている細い枝(ひこばえ)は、木の生長を阻害するため元から切除する・・・などなど。

 

②物理的要素

 主に人間の都合のことです。現場によって施主によってそれぞれで、当然ながら剪定の教科書には書いてありません。

 

・隣の家にはみ出した枝、電線に触れそうな枝、屋根に当たりそうな枝を切る。

・車の乗り降りに邪魔な枝を切る。

・通行の邪魔なので平たく刈り込む・・・など。

 

③美的要素

 景観を美しく見せようという視点です。剪定の教科書にも載っていることがありますが、自分自身の感覚や技術を磨くことが大切です。

 

・隣接する庭木との枝葉の濃淡を揃える、調整する。

・木と木が触れ合うところは、それぞれの輪郭をはっきりさせる。

・背景となる庭木は高く、手前の木は低めに剪定する・・・など

 

 もちろん、これらは2つ以上の要素が絡み合うことも多く、簡単に分類できるものはありません。例えば木の上部ほど、剪定する葉の量を多くする(「薄くする」)のは、三要素すべてに該当します。

 

 なんとも抽象的な話で恐縮ですが、「どうやって剪定するの?」と聞かれた場合、私は、この3要素を簡単に説明しています。たいがいが、「やっぱり大変なのね」という反応になってしまいますが、剪定の基本的な考え方として参考にしていただければと思います。

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