燃えやすい木、燃えにくい木

 近所で火事があった。幸いすぐに消し止められたが、消火の様子を見ていて心配になったのは、その家の庭にコニファー類が多かったことである。

 

 近頃の家は、オール電化などで、昔に比べたら火災のリスクは減っているが、それでも火災にはいろいろな要因があるので、安心することはできない。

 

 特に住宅密集地が多い都会では、自分の家が磐石でも、隣地から飛び火するリスクと背中合わせである。

 

 防火樹という言葉があるが、現代でも樹木に防火の役割を期待する風潮が残っているのだろうか。むしろ、「木は燃えやすいんじゃないの?」で片付けられるのがオチであろう。

 

 防火樹の条件は、家の軒より高くなること、葉や幹に含まれる水分が多いこと、水の吸い上げが良いことなどだろう。

 

 防火力の強い木の代表は、イチョウである。「大火事になったとき、イチョウから水が噴出して火が消えた。」なんていう伝説がいろんな地方に残っている。

 

 そこまでではないにしろ、イチョウを敷地に点々と列植できれば理想的であろう。昔の学校はその辺りのことを考えてイチョウを植えていたものだ。

 

 ただし、一般家庭では難しい話だ。雌を植えれば銀杏にクレームが来るだろうし、落葉性であるため、冬は武者立ちのイチョウの姿が寒々しい。

 

 ベターなのがサンゴジュだが、病害虫にやられやすいのが難点である。他にはシイノキ、モチノキ、ユズリハ、マテバシイ、ヤマモモあたりだろうか。つまり、よく工場の周りに植栽されている樹木が防火樹にも適している。

 

 防火樹の反対に、火を呼ぶのはどんな木だろうか。その代表が冒頭のコニファー類であるのは、想像に難くないであろう。同類の在来種として、ヒノキ(名前からして心配)、ヒバ、サワラ、マツ、スギあたりも燃えやすい。キャンプなどでアウトドアクッキングをしたことがある方なら、経験上お分かりであろう。

 

 この他にも、なぜかシラカバとプラタナスが燃えやすい。また、シュロはかなり燃えやすい。シュロの木の近くでバーナーを使って除草していたら、あっという間に火が燃え移ったというような失敗談は枚挙に暇がない。

 

 皆さんも火事には気を付けましょう。

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コメント: 4
  • #1

    りょうこ (日曜日, 20 1月 2013 22:27)

    んんー、勉強になりました(^^)d

  • #2

    ミッキー (水曜日, 06 7月 2016 15:43)

    キャンプファイアーのスタンツのクイズで役立ちました。

  • #3

    管理人 (水曜日, 06 7月 2016 22:01)

    そんな使われ方もあったんですね。お役に立てて光栄です。それから「スタンツ」という言葉が懐かしいです。もしかして、BSですかね。何十年も前に私もやってました。

  • #4

    ナミ (土曜日, 23 3月 2024 22:24)

    「ボケの木を燃やすと茶釜が割れる」ということわざがあるようですが、これがどんな意味なのか、ご存知の方はおられませんか?

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